少し、小田原のことが書きたくなりました。
小田原という地名は、古代の言葉でオダパラが語源だそうで、それは災害の多い場所を表す言葉だと、ずいぶん前に本で読んだことがあります。そうゆうことを、かの二宮金次郎さんは知っていたのでしょうか? 酒匂川の氾濫に心を砕いた金次郎さんは物知りだったから、薪を集めながら読んだ本の中にそのことが書いてあったかもしれないですね。
金次郎さんが生まれた栢山集落は、私の実家のある飯田岡から歩いてすぐのところにあります。実家に帰ると私は足柄平野を潤す狩野川を飯田岡から栢山あたりまで土手沿いを散歩しながら、今も残るのどかな農の風景に心を休めます。
かつては一面の水田でしたが、今は住宅地が押し寄せ、風景はずいぶん変わってしまったけれど、それでもまだまだ農家の自給田や畑で鍬を振るう姿を多く見かけます。そうした農風景のなかに、めっきり増えたのが休耕田を利用しての市民農園です。
私は、畑や市民農園を見るのが好きです。畑観察家と自分のことを呼びたいくらい、たくさんの畑を見に歩いています。市民農園は、そのほとんどが小さく区画されたものが多いですが、でも、飯田岡の貯水地近くにある市民農園には柵で区切らないまま、かつての田んぼの畔をそのまま残した市民農園があります。狩野川から水路を引いた小川がさらさらと流れ、春夏秋冬でうつろう美しい農の風景があります。人が食べるものをつくる営みほど心やすらぐものはないなあ、といつも思います。
この写真の風景は、春の陽光に照らされたなんでもない日の記憶です。撮影したのは2年前。大根の花が満開でした。ご主人の農作業をじっと見つめる,愛犬が菜の花の中でとてもかわいかったです。
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