Thank you, Cecilia * レモンはセシリアの帰りを待ってます!
11/20(土)、第三回セシリアのパーマカルチャー・ライフガーデン教室が行われました。
快晴、気温17度。前々日まで小雨との天気予報は大幅にはずれ、朝からぽかぽか陽気。
レモンの日は、なぜだか天気予報がはずれ、いつもお天気に恵まれます。
この日は、隣の市民農園に東京の『ことのは保育園』の園児たちが、
保育園で借りている『ことのは農園』にやって来ていました。
赤ちゃんはうれしそうに土の上でハイハイをしていました。
土を握ったり、里芋をおもちゃにして遊ぶ様子に、お母さんは「本能なんでしょうか?
土いじりが大好きみたいです』と泥んこになって遊ぶわが子の意外な様子に驚いていました。
かつて取材先で聞いた話ですが、「土の上でハイハイさせて育てた子どもは
知能指数が高くなる」と。根拠はわからないですが、嘘ではないように感じます。
なぜなら、この赤ちゃんは土の上で転んでも泣かないのです。
泣きそうになってもすぐ笑顔になって、とても和らいでいるように思いました。
身体全体でなにかを感じていると思いました。好奇心を全開にしています。
土は人間にとっても成長の苗床なのかもしれません。
おっと、ワークショップの報告でした。ついつい話が子どものことに逸れます。
午前中のアウラ・クラスでは、セシリアからパーマカルチャーでつくるガーデン、
「スパイラルガーデン」「キーホールガーデン」「雨水タンク」などについての
レクチャーを受けました。アフリカのキーホールガーデンの話がとても印象に
残りました。子どもの背丈ほどの高さがあるコンパクトなキッチンガーデンで、
とてもユニークな形をしていました。
(写真後日アップします)
この日は、ガーデンにはじめ塾の塾生やキテミルスタッフ、
レモンのなくてはならないガーデンサポーターの穂田さんがガーデンワーク
にも参加してくれて、大きな大きな力を貸してくれました。
また、塾生のご両親や、東京から参加された太陽光エネルギーの動力変換開発を手がける
スペシャリストの参加もあって、レモンには実に多彩な面々が集いました。
いつもは穂田さん以外はほとんど大人女子のワークショップですが、
今日ばかりはたくさんの男子パワーでガーデンは弾けるようでした。
この日のメインはなんといっても、パーマカルチャービルダーの
フィル・キャッシュマンさんの指導によるコンポストの屋根づくりと
雨水を集めるトヨの設置を、塾生たちが見事に完成させたことでした。
彼らの兄貴分のキテミルスタッフも加わり、作業中はずっと和気あいあい、
笑いあり、突き合いあり、フィルの見事な采配で、作業は着々と進みました。
用意した材木が少し足りず、完成には至りませんでしたが、
まずまずのところまでこぎ着けました。
道具の扱いもすぐに理解し、ちょっとアドバイスするだけで,
フィルの要望にすぐ応え、コツをのみこむ早さには驚かされました。
当然といえば当然の結果です。ものづくりの能力に富んだ塾生たちに慕われる
フィルも彼らとの作業はとても楽しそうで、彼らの働きぶりに満足気です。
実は、はじめ塾の塾生たちは、中学、高校の年代の子どもたちで、
寄宿生活をしながら、生きる技術を学んでいます。中には学校生活になじめなかったり、
生きにくさを感じている子どもたちもいると聞いています。
詳しいことははじめ塾のサイトhttp://hajimejyuku.com/を観ていただきたいと思いますが、
私には、彼らはとても元気で、茶目っ気があって、まっすぐで、
はにかみ屋で、諦めない、感受性ゆたかな子どもたちのように映りました。そして、
大人が傍で一緒に本気で行動することで、とても安心して、
能力を発揮しているように感じました。
自戒をこめて思うけれど、大人の生活能力が低下していることが、
子どもと大人の距離を離しているのかもしれない。
だから菜園づくりはやっぱり、大人にも子どもにも
驚くような学習効果があると思う。
そこではみんなが一緒に働く理由があって、つくる、食べるという
当たり前に普通なのに、できると凄く感動してしまう、
そうゆう生きる力を分かち合える場だと、あらためて思いました。
実はフィルの夢は、
パーマカルチャーの知恵とノウハウを生かした体験型の学校をつくること、
ひょっとすると塾生たちとの作業はフィルにとっては、そのための
スタディ体験だったかもしれません。
アーティスト気質もあってか、ガーデンの細かい部分へと微細に目を配ります。
ガーデンが美しくなるよう、あちらこちらに手を入れ、指示を送っていました。
実際、セシリアのデザインセンスの素晴らしさは、彼女自身が身体で感じながら
デザインしているところにあると思います。植物を観る力、
自然のデザインに目をみはる力、そしてそれらを組み合わせていく力、
そこからセシリアの繊細で美しいデザインは生まれていると思います。
セシリアは自然の中には四角いものはない、すべては丸みをおびていると言います。
だからレモンには、くねくねと曲がる小道がデザインされ、
そこに点在するガーデンも、有機的なデザインをつくっていきたいと言います。
その中でも、いちばん時間をかけ、こだわっていたのが、エントランスの階段
の石の配置でした。大きな石のすべての面を観察しながら、どこをどう見せるか、
どう配置するか、念入りに石を見つめては、動かします。それはそれは、
しつこいぐらい石の表情を観察しています。
セシリアのこだわりに、力で応えてくれました。
「この大きな石は、ガーデンダイニングのところで使いたい」と言えば、
穂田さんはすぐに石を移動する策を思いつきます。縄で石をくくり、
丸太棒を通して担いでエッサホイサ、まるで江戸時代の石工のようです。
凄い! 恐るべし穂田さん!!! 一堂、びっくりです。
セシリアは間もなくオーストラリアへ帰るので、
ちょっと名残惜しい気持ちで終えたワークショップです。
用意したカボチャパイを、とっぷり日も暮れ、満月が昇っていくなかで、
みんなで食べました。あま〜いカボチャの味、忘れられないです。
満月とガーデンとカボチャパイで終わった
セシリアのパーマカルチャー・ライフガーデン教室でした。
Thank you , Cesilia, we will see you next spring.
ありがとう!セシリア。春にまた帰って来てね!
このキーホールガーデンが完成するのは来春、セシリアがイメージで描いてくれた
ガーデンになるまで、作業はまだまだ続きます。そして、その日には、
ここに関わってくれた人全員をガーデンに招待して、
レモンで採れた野菜やハーブや果物を素材に
お料理をつくり、お祝いの宴を催しましょう。あぁ、楽しみです、、、
セシリアのデザインしたガーデンに、フィルのビルダーパワーが加わり、
レモンはふたりの素晴らしいクリエイターに関わってもらったことで、
よりゆたかなガーデンになろうとしています。
彼らからもらったふたつのエッセンス、
“美しさ”と“機能する力”が調和する場所になれるよう、
今からが始まりのスタートラインにやっと立ちました。
これからレモンは、春に向けて土づくりと苗づくりが待っています。
また、ワークデイでみなさんと会えたらうれしいです!
Thank you, Phil!!! See you at Lemon again!!!
追記:レモンで使われた木材、石、腐葉土などはすべて、廃材やデッドストックで
保管されていたものを使い、買ったものは一部の苗と種だけです。これらの材料はすべて
はじめ塾や、穂田さんのご協力で提供いただきました。とりわけ、
レモンの最初から関わって頂き、私たちの力になってくださった穂田さんには
言葉では尽くせないほどお世話になり、私たちの夢を支えてくださいました。
心から感謝しています。ありがとうございました。そして、
これからもよろしくお願いします。
photo and text by Hiroko H.
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