2001年7月号の『Casa Brutus』で、ジューン・テイラーのつくるジャムとマーマレードの物語が8ページにわたって紹介されています。知人の岡本仁さんが書いてくださった、とっても素敵な記事です。
*ブログの記事は、今年1月に書いたものです
今朝は寒さがゆるみ、この冬初めて、ストーブをつけずに朝ごはんを食べました。
間もなく、春、そう感じたうれしい朝でした。
今日は、カリフォルニアの持続可能な有機果樹農家をささえる
ジャムメーカーをご紹介したいと思います。
彼女の名前はジューン・テイラー。英国人のジューンがカリフォルニアの
豊穣な果物に恋に堕ち、バークレーというサンフランシスコの隣町で、ジャムづくりを
始めます。私は、サンフランシスコのフェリープラザ・ファーマーズマーケットで
ジューンのジャムを試食してから、彼女のジャムの虜になってしまい、
今では、ジューンのジャムを紹介しながら、カリフォルニアの持続可能な農家を支える
フードプロデューサーの活動を日本にもつなげていきたいと願うようになり、
バークレーを訪ねるたびに、ジューンのようなフード・アルチザンの取材をしています。
ジューンのジャムは、農家から直接届けられる、木で熟した果物だけを使っています。
だからお砂糖はかなり控えめで、果物の香りと甘みが生きている、
さわやかな食べ心地なのです。
カリフォルニアは大規模な農業が主流で、
家族経営の有機農家は、日本と同じようにごくごくわずかで、
彼らのおいしい果物は、一般の市場には出回らず、地元のファーマーズマーケットや
町のオーガニックショップで買うことができます。お客さんは地元の生活者で、
遠くニューヨークや日本へ運ばれることはまずありません。
でも、豊作のときは、収穫されずに大量の果物が廃棄を余儀なくされることもあります。
ジューンの工房には、こうしたもったいない果物たちが集まってきて、
極上のジャムに生まれ変わり、それで私たちは、
一年中カリフォルニアの旬の果物の味を楽しむことができるようになります。
また、ジューンはほおっておくと消えてしまう在来種や伝統種の果物にも光を当て、
そうした果物を使ったジャムをつくることをとおして、人々に在来種の大切さを
メッセージしています。グラベスタインアップルバターや、
サンタローサプラムコンサーヴがそうした果物から生まれたジャムです。
地域に根付いた果樹農家の畑と直接つながりながら、
家族ぐるみの関係をあたためながら、
都会の小さな工房でジャムをつくっています。
冬以外は一年中果物がゆたかに実るカリフォルニアですが、それでも
果物には旬があります。これからの季節だと、やはり、オレンジやレモンなどの柑橘系、
そうそう久野の果樹農家の石綿さんも栽培しているメイヤーズ・レモン、
このレモンとライムを掛け合わせて生まれたメイヤーズ・レモンのマーマレードは、
ジューンの人気NO.1のマーマレードです。
春にはベリー類、ストロベリー、ブラックベリー、ラズベリー、テイベリーと
さまざまなベリーがジューンの工房にやってきます。
夏になると桃やアプリコット、秋はいちじく、りんごなど
ジューンのジャムとマーマレードは年間つねに50種類以上ストックされています。
そうした果物にジューンの庭で採れたローズマリーやラベンダー、フェンネルなどの
ハーブが複雑に調合されて、まるでパフュームをつくるように
ひと瓶の創造的なジャムがつくられていきます。
このビデオクリップは、ジューンのジャム工房の様子がよくわかります。
天窓から陽の降り注ぐ静かなジャム工房で、
ひとつひとつ丁寧にジャムをつくっています。
ジューン・テイラーのジャムとマーマレードは以下で扱っています。
ジャムアンドギター [email protected]
text by Hiroko.H 1/25 2011
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